大麻
大麻所持・使用事件発生からの流れ
送検・勾留まで
大麻の所持・使用で逮捕された場合にも,弁護士と連絡を取りやすくなります。
逮捕前にご相談いただければ,弁護士としてアドバイスできる内容は多くなり,有利な結果となる可能性も高くなります。
事実とは異なる,又は無関係な事件での逮捕であれば,状況の説明や目撃者の証言をもらうなどして,早期釈放に向けて弁護活動を行います。
大麻の所持・使用で逮捕されると,その方は「被疑者」となります。
警察は被疑者の弁解を「弁解録取書」としてまとめ,それを参考に送検若しくは釈放を決定します。
決定するまでの間,最長48時間まで留置の可能性があります。
勾留されるまでの間,家族等身内の方とは面会できませんが,選任された弁護士はほぼいつでも,時間の制限もなく,警察官の立ち会いもなく,被疑者(逮捕された方)との面会が可能です。
制限時間は刻々と迫ってきますので,今後の対応策を大至急打ち合わせいたします。
また,家族や親しい方との連絡も,弁護士を通じて行うことができます。
送検されると検察は24時間以内に勾留が必要かどうかを判断し,必要とした場合裁判官に勾留請求を出します。
必要なしとした場合釈放されます。
大麻の所持・使用の疑いで逮捕された場合,薬物事件というその性質上,10日を超えて勾留延長が決定されてしまうことが多く,また勾留中も弁護士以外との面会禁止の条件がつけられたりするなど,厳しい決定になることが多いです。
早期釈放を目指すのであれば,反省と改悛(過ちを悔い改め,心を入れ替えること)を検察官や裁判官に目に見える形で示すことは重要です。
また早い段階から保釈を視野に入れた弁護活動,例えば弁護士を通じて身元引受人を確保し,証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを検察官や裁判官に説明するなども行います。
裁判官は勾留要件を満たしているかを検討し,勾留決定か釈放を判断します。
勾留中は検察官・警察官より様々な取り調べが行われ,最長で20日以内に起訴か不起訴かが判断されます。
勾留中も引き続き,不起訴獲得にむけて活動します。
ごく少量の所持で,常習性がなく,一過性の使用である場合などは,本人の反省と二度と入手しない・使わないための具体的な方策,家族の監視と支えを訴え,起訴猶予処分を目指します。
同時に起訴された場合の保釈請求の準備,執行猶予判決獲得に向けた弁護活動も行います。
起訴から裁判まで
起訴されると「被疑者」から「被告人」となります。
裁判が行われるまで引き続き勾留の可能性もありますが,保釈の請求も可能です。
保釈とは保釈金を納めることを条件として,一定の制限はあるものの,身柄の拘束を解かれる制度です。
請求を行うと,裁判官(裁判所)が検察官の意見も聞いた上で許否を決定します。
裁判官は保釈中に再度大麻に手を出してしまうのではとの危惧があり,認めないことも多いですが,早い段階からの身元引受人の確保,保釈中の環境整備,更生プログラムへの参加などを訴えることで,保釈が認められるように活動します。
ただし被告人であることは変わりませんので,裁判は行われます。
なお,保釈金は裁判手続の終了後,還付手続を行い,ご依頼者様に返還されます。
保釈中に証拠隠滅や逃亡など保釈の条件に違反した場合,保釈金は没取されます。
裁判が行われると裁判官により,有罪・無罪が検討され,有罪であれば量刑も言い渡されます。
執行猶予が付くこともあり,猶予期間内に他の刑事事件を起こさなければ,言い渡し自体がなかったことになります。
大麻の所持・使用について大麻取締法では罰金刑が定められていないため,有罪となれば実刑か執行猶予の判決になります。
起訴後は実刑にならないための弁護活動が主となります。
そのためには裁判官の心証がよくなるような,反省の態度と今後の具体的更生方策の提示などが重要となります。
例えば,更生施設への入所,専門の病院への通院などの再使用しないための具体策の提示,家族や周りの人の強い支え,薬物との接触をなくすための身辺整理,生活環境整備などを訴えることで,執行猶予判決の獲得を目指します。
大麻所持罪で逮捕されたら
1 大麻に関する法規制
大麻に関する法規制としては,大麻取締法が定められています。
大麻取締法で規制対象とされている「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいうとされ,大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除くとされています。
大麻取締法は,覚せい剤取締法等と異なり,所持のみが規制され,使用が処罰対象から除かれています。
2 大麻取締法違反該当性
大麻に関しては,所持のみが規制されており,使用それ自体は処罰対象とはされていません。
そのため,大麻使用罪で逮捕されることはありません。
大麻所持は規制対象とされているため,違法に大麻を所持すると,大麻取締法違反(大麻所持罪)として逮捕されます。
大麻の使用が大麻取締法違反とされていないのは,日本では,麻の使用が広く行われており,処罰範囲を明確にできないことが理由の1つのようです。
ただ,多くの場合,大麻を使用する際には大麻を所持することになりますので,大麻の使用だけであれば合法だと単純に考えることはできません。
3 大麻取締法違反による逮捕・勾留
大麻取締法に違反した場合,逮捕される可能性が高いです。
薬物犯罪は,一般に,逮捕される可能性が非常に高い犯罪です。
逮捕された場合,48時間以内に警察から検察に送致されます。
検察に送致された後は,24時間以内に,勾留請求するかどうかが決められます。
薬物犯罪は,入手ルート等,重要な捜査項目も多く,逮捕後勾留される可能性が非常に高いです。
大麻取締法違反による勾留は,多くの場合,勾留延長請求がされるように感じます。
4 弁護士に依頼するメリット
逮捕は通常突然されますので,逮捕されたことによりパニックになってしまい,冷静に対応できなくなってしまう方も多くいます。
冷静に対応できないと,間違ったことを話してしまったり,曖昧なことを確実なことであるかのように話してしまったりするなどして,非常に不利な立場におかれてしまうことがあります。
また,どのようなことをしてよいのか,どのようなことをしてはいけないのかがわからず,捜査機関からいわれるままに行動せざるを得なくなってしまう方も多くいます。
そのようなことのないようにするために,弁護士に刑事弁護についてアドバイスをもらうことが有用です。
また,弁護士であれば,勾留前にも面会できますので,弁護士に依頼することで,外部との接点を持つことができます。
簡単な差し入れの依頼等の伝言を依頼することもできますし,勾留に対する準抗告などを依頼することもできます。
5 大麻所持罪で逮捕されたら
ご家族が名古屋で大麻所持罪で逮捕されてしまったら,速やかに刑事弁護を得意とする弁護士にご相談ください。
弁護士法人心 名古屋法律事務所には,刑事弁護を得意とする弁護士が所属しております。
また,弁護士法人心 名古屋法律事務所では,初回30分無料で刑事弁護のご相談を承っております。
JR名古屋駅,近鉄名古屋駅,名鉄名古屋駅からほど近いところに事務所がありますので,お気軽にご相談ください。
大麻所持罪の弁護活動
1 大麻所持罪の法定刑
大麻取締法では,個人使用目的で大麻を所持した場合,5年以下の懲役刑が法定刑として定められています(法24条の3第1項1号)。
営利目的で所持した場合には,7年以下の懲役刑または情状により200万円以下の罰金が併科されることがあるとされています(法24条の3第2項)。
2 大麻使用は不処罰
これらに対して,大麻を使用した行為については,処罰の対象とされていません。
これは,大麻は昔から繊維植物として栽培され,その茎等が利用されていたところ,茎等から体内に微量が入った場合については,処罰の対象から除外するためと言われています。
3 被疑者段階での弁護活動(事実関係を認めている場合)
被疑者段階では,検察官が不起訴処分をするよう働きかけをします。
覚せい剤使用・所持罪では,通常,初犯であっても起訴処分がなされますが,大麻所持罪では,統計上約3人に1人は不起訴処分となっているとも言われており,その弁護活動は重要です。
具体的には,所持していた大麻の量が少なく,悪質性が高くないこと,売人の名前や連絡先など入手経路を捜査機関に話しており,捜査に積極的に協力していること,薬物関係者らとの関係を断ち切る意思であること,及び,同種前科前歴がないことなどを具体的に主張します。
4 被疑者段階での弁護活動(事実関係を争う場合)
他方で,事実関係を争う場合には,捜査機関による捜査の適法性を問題とすることがあります。
逮捕の契機となる職務質問や所持品検査の態様,それに続く任意同行の態様や取調べの態様が違法でなかったか否かなどを注意深く確認し,少しでも疑いがあれば,迅速に抗議するなど対応しなければなりません。
5 保釈
起訴処分とされた場合は,早期の身柄釈放を目指します。
具体的には,本人やそのご家族等からのヒアリングをもとに保釈請求書を作成し,裁判所に提出します。
保釈されない場合,短くても1月は身柄拘束され続けるため,本人の社会生活への影響は極めて大きいといえます。
そのため,起訴処分される前から,あらかじめ,起訴された場合の保釈請求について協議しておくのが望ましいといえます。
6 裁判での弁護活動
裁判では,本人に有利な事情の主張立証活動を行います。
さきほど述べたとおり,事実関係を認めている事件であれば,悪質性が高くないこと,入手経路等を自ら話していること及び同種前科前歴等がないこと等を主張し,執行猶予判決の獲得を目指します。
他方,事実関係を争う場合には,無罪判決に向けて主張立証活動を行います。
7 弁護士の利用
大麻所持罪では,迅速かつ適切な弁護活動が,早期の身柄釈放につながることが多いので,早急に弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士法人心では,名古屋をはじめとする東海三県及び東京に事務所を構えています。
名古屋であれば,JR名古屋駅から徒歩2分のところに弁護士法人心 名古屋法律事務所があり,交通アクセスも整っておりますので,お気軽に刑事弁護についてご連絡ください。
薬物事件の内,大麻の取り扱いに関する事件は大麻取締法にて処罰されます。
大麻取扱者以外が所持,栽培,譲り受け,譲り渡し,輸出入等を行うことを禁止する法律です。
大麻取扱者であっても目的外の利用は大麻取締法違反に問われます。
ここでは大麻を所持・使用した場合について解説します。